普通に考えれば、最初の明かりは、火を扱い始めた時であったでしょう。
もちろん照明としてだけではなく、暖をとり、調理をし、身を守るためにも使われていました。
人類と火との付き合いが長いからこそ、西洋で暖炉が根強く残り、日本で囲炉裏に憧れを抱くのだと思います。
その炎を、小さくコントロールできるようになると、松明やかがり火のように明かりとしての用途ができます。
大きな炎では、キャンプファイアのように床面からしか得ることができなかった光が、少し高いところに掲げられます。
でも、炎は立ちのぼるので、天井には付けられません、
日本では、行灯のように障子紙を使ってうまく光を部屋中に拡散させる知恵を使っていました。
さらに炎は小さくなり、そしてオイルランプが生まれて壁に掛けられ、やがて天井から下げる明かりができるようになります。
自然の光は、太陽や月など天から降り注ぐものです。
それに対して、人口の明かりは床から始まり、少しずつ上がってゆきます。
そして電気の発明により、現代では上からの光も普通に得られるようになりました。