ソーシャル・ディスタンス―人と人との寸法・家の寸法③

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みなさん、こんにちは!

前回は、日本人で使われている尺と欧米で使われるフィートが
ほぼ同じ長さを示していることから、
人に心地いい長さは世界で共通しているのではないかというお話をしました。

今回はその「ソーシャル・ディスタンス―人と人との寸法・家の寸法②」に続き、その③をお届けします。

メートル法

一方、メートルはまったく違う定められ方の寸法です。

最初は、フランスのドランブルとメルシャンが、
地球の子午線の長さの4分の1を測定し、
その1千万分の1を1メートルとしたのが
始まりです。

しかし地球は真球ではなく、
安定した寸法を定めるために
現在では光の速度で定義されています。


1メートルとは、光が真空中で
1/299,792,458秒間に進む距離というのが
国際的な定義です。

日本ではメートル表記を
使うことが法律で定められていますが、
表記上のルールであって
1メートル単位で使おうと決めているわけでは
ありません。

地球の大きさや光の速さで、
家の寸法を決めても、
とても使いやすい暮らしになるとは思えません。

メートル単位で組み上げても、
家具を含めた生活空間は、
尺寸で設計する方がよさそうです。


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例えば、家具屋に並んでいる収納家具は、
その多くが40㎝か60㎝の奥行きになっています。

また、本棚などで薄型の収納を探すと
奥行は30㎝です。

収納家具も結局、
1尺、1尺5寸、2尺の寸法でまとめられます。

洋服などをしまうことを考えると
タンスの奥行き60㎝=2尺の方が使いやすく、
キッチンや洗面の奥行きも同じです。

これらは1mの半分の50㎝では足りません。

また水回りなどのサニタリー小物を収納するには、
奥行きは2尺でも大きすぎて、1尺=30㎝もあれば十分です。

同じように家具店で探すと、
棚に細かく分けておけるような
1尺の収納小物がたくさんあります。

4フィート=社会的距離

逆に、欧米の住宅設計では、4フィートの寸法が使われることも多くあります。

たとえば、少し広めの廊下の幅を
4フィート=4尺にします。

通常の3尺幅で壁があると、
壁の厚さもあるので、
廊下の有効幅はさらに狭くなります。

もし、車椅子を使うことを想定すると
3尺では使いにくい廊下となります。

このようなことから、廊下に1m幅が必要ともいう人もいます。

確かに少しでも広いほうが
通りやすいことは間違いありません。


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そこで、車いすではなく、
廊下ですれ違うことを想定して
検証してみましょう。

一般的な人の肩幅は
1尺5寸ありますので、
1m幅では、やはり壁の厚さもあるので
まだ足りません。

この時に、4尺幅の廊下であれば、
人がすれ違うことも容易になります。

もちろん、さらに広い4尺5寸となれば、
もっと余裕ができますが、
寸法は余らせてももったいないのです。

日本では、4尺という長さは
あまり使われませんが、
欧米では4フィートの廊下が多く作られています。

メートル法では、
1,213㎜という中途半端な寸法に感じますが、
尺寸やフィートがヒューマン・スケールから生まれているからこそ
使いやすさえを含めた有効な寸法になるのです。

あらためて、ソーシャル・ディスタンスは、
この4尺=4フィートとしています。

初めて会う人と畳の上に2人でいるとイメージすると、
ちょっと密な感じがしませんか。

これからもまだまだ、
感染対策の必要性は続いてゆくようです。

出典:住まい文化研究会「おうちのはなし」

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