マンション暮らしが経験したことのない高校生が、
木の匂いのする家に入った時に「懐かしい匂いがする」という印象を語りました。
木の家はまるで日本人の遺伝子に組み込まれている記憶のように感じます。
逆にその意味では、これから育つ子供やお孫さんを抱えた家庭では、
新しい家の香りの経験を重ねることはとても大切です。
その木の匂いを嗅ぐ度に、親とのふれあいや感じたことを思い出すことでしょう。
たとえば、育ってきた実家の風景を思い出す匂いはありませんか。
記憶を掘り起こすよりも先に、匂いを思い出すと頭の中に情景が広がってきます。
今の家に育ち、大人になってゆく子供たちのためにも、
実家の記憶となる匂いの設計も忘れないでほしいことです。
出典:住まい文化研究会「おうちのはなし」