コロナ・パンデミックにより、レジ前やATMの前など、
行列のできる場所には、立ち位置を表す足のマークが書かれています。
すでに、ソーシャル・ディスタンスは生活の一部になっています。
ところで、この「社会的距離」というものは、
具体的にどのようなもので、どれくらいの寸法を表すのでしょうか。
ちょっと、興味が湧いてきませんか。
日本が世界に誇るスーパーコンピュータ富岳で
計算して距離を定めているわけでもなく、
ややもすると報道機関によっても多少の違いもありそうです。
どうやら、この源は半世紀も前の1966年に発表された学説にありそうです。
アメリカの文化人類学者エドワード・T・ホールは、人と人との距離についての研究を
近接学の『パーソナルスペース』として定義しました。
人は無意識のうちに、4つの対人距離をゾーンとして使い分けているというのです。
夫婦や恋人の親密関係から、個人的な付き合いとなる個体距離。
会話ができる社会距離と、講演などで使われる公衆距離です。
この三番目に使われているのが、社会距離のゾーンです。
さらに、E.T.ホールは、それぞれのゾーンを、近接相と遠方相に分けています。
その概要をまとめると下の図の表のようになります。