コンパクト・コンセプト―暮らしを豊かにする広さとは?②

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みなさん、こんにちは!

最近、面積が広いお家ではなく、
狭いお家の方がよく建てられているのはご存じでしょうか?

それには、様々な背景や要因があります。

その②をお届けします。

ウサギ小屋

「小さな家」といえば、伝説の建築家のコンセプトよりも
日本人の家として例えられた「ウサギ小屋」を思い浮かべる人も
多いのではないでしょうか。

生活の基本である食・衣・住も、グルメやファッションといい替えれば、
日本は世界でもトップクラスの食衣文化を持った国になっています。

しかし住文化は、残念ながら決して先進とは思われていません。

「ウサギ小屋」という表現は、
欧州共同体が出した『対日経済戦略報告書』(1979)に
書かれたことに始まります。

いかにも狭い家に日本人が住んでいるかのように感じてしまいますが、
決して狭いだけの意味で使われているわけではありません。

それはそうです。その原文はフランス語で書かれていますが、
そのフランスを代表する建築家のコルビュジ工が前項で書いたように
「小さい家」をコンセプ卜にして近代建築を生み出したのですから。

さらに、欧米の住宅との面積を比較してみると「ウサギ小屋」が真実であるとは思えません。
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ここでは、貸家を除いて、各国の持家で比較しています。

アメリ力の住宅面積が大きいことは一目瞭然ですが、
日本はドイツとわずかな差であり、
フランスやイギリスよりも広いことがわかります。

フランスとの10㎡の差は、
6畳一間分に相当し、イギリスとの差は30%もあって
16畳分もの差となります。

単に狭いという意味での「ウサギ小屋」という言葉で
日本の住宅を表現するのは、
持家住宅では不適格であることが良くわかります。

ただ、隣に日本の貸家の面積も記載してみました。

持家の面積が小さいイギリスでも、
貸家面積は75㎡もあって、フランスドイツもそれほど変わりません。

じつは、日本の貸家の面積は欧米に突出して狭いのです。

こうした貸家の多くは集合住宅になっていて、
戸建に比べて狭い傾向にあります。

ウサギの植のように並べられた狭い集合住宅から、
列をなして仕事場に向かう日本人の姿を例えたのが、
本来の意味での「ウサギ小屋」の例えとなっているのです。

トレンド「小さな家」

家の広さは、そのまま豊かさを象徴しているともいえます。

欧州と比較して日本の面積が昔から広かったわけではなく、
世界2位までの経済成長と共に実現できた住環境と考えられます。

しかし、その経済力も中国に抜かれ、
経済成長も停滞している今は、
豊かさに対する考え方も変わりつつあると思われます。

つまり、家の広さが
そのまま豊かさになるとは限りません。

それは近年の新築持家住宅の面積の動向を見るとわかります。
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大きなトレンドとして、住宅面積が小さくなっていることは明白です。

もちろん多くの要因が重なってトレンドとなっているものです。

持家全体の平均値より、
木造住宅の平均値が低いのは、
木造を除く鉄骨造や鉄筋コンクリート造などよりも
面積が小さいということです。

比較的予算が高くなる非木造の方が、
大きな家を建てているのです。

東京で建てられている住宅の面積は
さらに小さくなります。

すでにフランスの住宅に近づきつつあります。

あえて、フランス人の満足感を理解し始めていると表してみましょう。

その上、東京では非木造の建築物も多く、
木造住宅に隈った面積ではグラフの下枠よりもさらに下の110.0㎡台まで、
小さくなる傾向にあります。


出典:住まい文化研究会「おうちのはなし」

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