住宅の骨組み「スケルトン」~資産価値を守る家にするために~②

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みなさん、こんにちは!

前回は、柱や梁を大事にさえすれば、間仕切りや設備機器を並べるのは自由に再生できる。というお話をしました。

スケルトンとインフィル

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長く使えるための骨組みをしっかり考えて、時代に合わせた改修を進めてゆくために、建築の世界で使われている言葉が、スケルトン・インフィルです。これまで書いてきた住宅の骨組みがスケルトンであり、使う人によって、あるいは時代によって改修する間仕切りや設備機器などをインフィルと呼びます。

小中学校の理科室にあった骨格見本を、スケルトンと呼んでいることを思い出せば、骨組みを表していることは想像しやすいかもしれません。インフィルは聞きなれない言葉ですが、その対となっているもので、骨組み以外はすべてインフィルと考えれば良いでしょう。住宅では、設備部品や内装材、さらには生活のために揃えられる家具もインフィルの一部です。

スケルトンがしっかりしていれば、内装や家具を変えながら長期にわたって住み継ぐことができます。持続可能で長持ちする家を考える時には、このスケルトンとインフィルを区分して考えます。

さらに、仕上げや設備機器などの比較的寿命が短いものをインフィルとし、逆に長く持たせるものをスケルトンと考えても良いかもしれません。当然、構造強度や断熱性などの性能もスケルトンと考えることが多いようです。

ただ、古民家が再生改修されるのには、現代生活に合わせた設備機器が設置され、インテリアを変えるのはもちろんですが、耐震補強と、しっかりとした断熱材を充填して、住環境を整えることも行われます。つまり性能もインフィルになりえます。戸建住宅のスケルトンは、本来の意味通り、木材の柱や梁といった骨格そのものを指していると思った方が良さそうです。

家は、柱がなければ建ち上がらず¥梁がなければ2階の床や屋根が掛からないことは、誰でも想像ができることだと思います。このスケルトンがあって初めて空聞が確保され、さまざまな使い勝手やデザインの検討ができるのです。住宅のスケルトンをよく知れば、理想的な設計もわかり、最初にあげた骨組みの価格の価値もわかるようになります。

環境貢献と資産価値

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住宅のインフィルである仕上げ材や設備機器などは、年数を経るごとに損傷や故障が増え価値が低下します。だからこそ、メンテナンスに加えて、時には入れ替えも必要です。

しかし、スケルトンに使われている木材は、基本的には100年以上の耐久性があると考えられています。現実に、木造でも一千年を超えて残されている建築物があります。

それ以上に、木材をしっかりと長く使うことは、地球環境にも貢献できることです。

住宅のスケルトンとして使用できるまで樹木が生長するのには、通常40年~60年はかかります。よく知られている通り、樹木は光合成によって空気中のCO₂を集めて生長しています。その生長期間よりも短く使い捨ててしまうことになれば、環境破壊となりかねません。

さらに、生長した樹木をすべて使い切っているわけではありません。丸太の中から端材を切り落として、四角い木材として使用しています。こうして刻んで燃やしてしまっている分を計算に入れると、少なくとも100年は使用する必要があります。木材というのは、それほど貴重な地球の資源なのです。

それに加えて、木材の供給には原生林などの違法伐採の問題も抱えています。地球環境の保全などを考えれば、これまで以上に、木材は資源として貴重なものとなる可能性は高いといえます。

木材が不足して高価なものとなれば、さらに木造住宅を新築することは難しくなるかもしれません。その時には、住宅のスケルトンは、まさに資産としての価値そのものとして考えられるようになるのではないでしょうか。

最初は単なる建築費の内訳書でしかありませんでしたが、スケルトンである木材の価値に着目すると、大きなテーマが隠されていることに気づかされます。家のスケルトンである材木の価値を知り、大切にしてゆくことは、結果的に自身の資産を守ることにもつながっているのです。


出典:住まい文化研究会「おうちのはなし」

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