肌で感じる家 ~人の優れた皮膚感覚を活かす~③

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みなさん、こんにちは!

前回は、目・耳・鼻では、動物には敵いませんが、触感では人の肌は、どの動物にも負けない感覚器、というお話をしました。

今日はその「肌で感じる家 ~人の優れた皮膚感覚を活かす~②」に続き、その③をお送りします。

紫外線と乾燥

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肌に悪いことといえば、紫外線を思い浮かべる人も多いと思います。皮膚がんの原因になるといわれていますが、じつはこの紫外線を皮膚に浴びなければ、ビタミンDを生成することがでず、脚気などの病気を引き起こすことも分かっています。なにごとも、適度であることが大切です。

この紫外線ですが、今ではサッシのガラスで低減することができます。さらに物によって光の反射率には特性があり、じつは木材は赤外線は90%近く反射しますが、紫外線を90%近く吸収する性質を持っています。つまり、内装にも木材を使用しておくと、紫外線の心配は少なくなるのです。木でつくられた家は、肌にも良い家となります。
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肌にとって紫外線以上に影響を受けることは、じつは乾燥です。乾燥が激しい地域では、皮膚の角質は厚くなることが分かっています。潤いのある滑らかな肌を維持するためには、湿気が大事です。中でも肌に悪い乾燥は、乾湿の変化を繰り返すことだといわれます。

現代では家の中に人工的な環境をつくりだすことができるようになりました。冷房は除湿を伴うことで湿度を下げます。また暖房も、室温を上げることが絶対水蒸気量を上げ、結果的に乾燥を招きます。

高断熱・高気密の家にして快適な家を目指すと、一方では乾燥に対する対策を必要とするのです。
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冬であれば加湿器が単純な対策となりますが、例えば観葉植物を育てることもひとつの手法です。水を与えることが直接水蒸気を発生させることにもなりますが、植物の葉の気孔から、蒸散作用で水蒸気が発散されます。植物は乾燥している時にはバロメータにもなるので、インテリアに植物を取り入れることはお勧めの対策になります。

また、ビニールクロスよりも、木材・紙や珪藻土などの調湿性の高い素材を使うことで、乾湿の変化を調整することもできます。

本物を使う

植物や木や珪藻土などの素材が本物の素材であるとすると、ビ二ールや化学繊維などは人工的な素材です。話題となっているコロナウィルスも、プラスチックの上では、72時間も生存するといわれています。それに比べて木材の繊維からできているダンボールでは24時間と短くなります。
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そもそも、木材は樹木が菌に侵されるのを防ぐために、生来の抗菌作用を持っています。その成分の代表となるのがフィトンチッドであり、名の由来も「植物の殺菌作用」という意味合いです。

他にも、南欧の街並みや日本の白鷺城に使われている漆喰は、アルカリ性が強くて殺菌作用があります。畜産の感染症で消毒のために撒かれる白い消石灰が漆喰の原料です。

そのように考えると、本物の素材、自然の素材を使う肌にも良いことが、大切なことではないでしょうか。

そしてなによりも、人の敏感な肌で触れば、プラスチックや塩ビや金属と、木材や珪藻土・漆喰などの自然素材や遣いが、手探りだけで分かるものです。テクスチャーだけではなく、しっとり感、硬さと柔らかさ、熱量などの多くの情報を肌ざわりで感じられます。

本当に長い時間を快適に過ごそうと計画している住まい作りだからこそ、しっかり実物を触って、叩いて、肌が合うという感触を確かめながら選んでください。


出典:住まい文化研究会「おうちのはなし」

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