そもそも、木材は樹木が菌に侵されるのを防ぐために、生来の抗菌作用を持っています。その成分の代表となるのがフィトンチッドであり、名の由来も「植物の殺菌作用」という意味合いです。
他にも、南欧の街並みや日本の白鷺城に使われている漆喰は、アルカリ性が強くて殺菌作用があります。畜産の感染症で消毒のために撒かれる白い消石灰が漆喰の原料です。
そのように考えると、本物の素材、自然の素材を使う肌にも良いことが、大切なことではないでしょうか。
そしてなによりも、人の敏感な肌で触れば、プラスチックや塩ビや金属と、木材や珪藻土・漆喰などの自然素材や遣いが、手探りだけで分かるものです。テクスチャーだけではなく、しっとり感、硬さと柔らかさ、熱量などの多くの情報を肌ざわりで感じられます。
本当に長い時間を快適に過ごそうと計画している住まい作りだからこそ、しっかり実物を触って、叩いて、肌が合うという感触を確かめながら選んでください。
出典:住まい文化研究会「おうちのはなし」