住宅の骨組み「スケルトン」~資産価値を守る家にするために~①

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みなさん、こんにちは!

日本の家は、30年ほどで価値がなくなるという話をよく聞かされます。でも、建築後100年以上経った家も、まだまだたくさん残されていて、古民家再生で生き返る家も少なくありません。逆に古い家ほど立派な骨組みがあり、改装して新しい家に負けない快適さを実現できます。スケルトンといわれる住宅の骨組みについて考えてみましょう。

骨組みの価格

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突然ですが、2500万円ほどの家を建てるとして、骨格である柱や梁などの木材に、どれくらいのコストがかかっていると思いますか。

家を建てるのには骨組みの他にも、壁の仕上げや、キッチンや浴室などの設備機器を設置しなければ住めるまでの空間になりません。大規模な改修工事などでは、骨組みだけを残してすべてをやりかえることも珍しくあリません。

それだけ骨組みは建物の主要部分でもあり、間違いなくすべての部材の中で最も長持ちする材料であるはずです。コストを考えれば、おおよそ半分近くのコストがかかっていると想像しても普通であると思います。

建設費用の事例として、公開されている工事価格の内訳を見ると、具体的な価格が見えてきます。延べ床面積35坪ほどで、約2,570万円の家の工事費内訳です。

この中で、骨組みである柱や梁にかけられている費用は116万円です。金額にしてみると、全体の5%にもなりません。坪単価として換算してみると、3万3千円/坪ほどが、家の主体となる骨組みの木材の価格ということです。その他に面板や羽柄材を全部合わせても使っている木材の量は17㎥ほどで、総額217万円、8%ほどです。
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この柱や梁の上に、床や壁が作られ、すべての部材が積載されていると思うと、意外に安いと思う人も少なくないのではないでしょうか。外壁や内装工事の方がずっと高く、さらに旧排水設備工事費は3倍にもなります。

こうした骨組みに使われる木材の価格は、国産材とかの産地や樹種、そして無節といったの木材のグレード、さらに木材の乾燥率などによって遣います。でも、多くの場合は建設会社に任されていることがほとんどで、施主が指定することは珍しいことです。

その上、たとえば高級住宅であっても、骨組みの木材量が大きく変わるわけではありません。その上多くの場合は、骨組みの木材を組み上げて内外装の工事を済ませれば、見えなくなり知らないままになってしまいます。

また、大手メー力ーの木造住宅では、供給を安定させるために、世界的に流通しているホワイトウッドなどの外材を使うことが多くなります。これらの材は比較的安価な材である上、さらに大量に買いつけることでコストを下げています。

そのように考えると、本来は最も資産価値として残される骨組みに、大事なコストをかけていないということになってしまいます。ですから、工事費の見積書を見る時には、木材の種類やグレード、そして乾燥率を確認しておくことが大事です。このポイン卜に絞り込んで比較してみるだけでも、建設会社の判断のポイントになるはずです。

そして、できれば建築現場を見せてもらうことです。工事途中でなければ、骨組みをしっかりみることはできません。決して白くてきれいに見える木材が、良いとは限りません。

古民家再生

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建設現場以外に、木造建築の骨組みを見ることができるのは社寺や古民家です。現(あらわ)しといわれて、これらの建物では骨組みが表に見えています。

現代の住宅の骨組みと見比べてみると、柱や梁にはとても立派な木材が使われています。今の時代にこれだけの木材を揃えようと思えば、相当の費用をかけなければなりません。それだけでも価値はありそうです。

実際に古民家が解体されると、使われていた木材は価値のある古材として流通することもあります。

だからこそ、解体しないで古民家を再生して利用することを願う人もいて、生まれ変わっている古民家も多くあります。現実に同じレベルでの木材を揃えて再建築する手間と費用を考えても、さらに歳月をかけて乾燥し深みを増したことも価値の創造と考えても、簡単に手に入るものでもありません。

こうした古民家の再生に対して、忘れてはならないポイン卜があります。それは古民家の多くが、意外にも単純な構造になっていることです。

現代の一般大工にはできないような、木構造の技術の粋を集めて作られていることは間違いないのですが、逆に躯体の解析や設計スキルは拙かったので、平面的には規則正しく柱を並べて、極力単純につくられています。

このような建物の建て方は、「間面記法」と呼ばれ、現代の〇LDKと同じように、〇間〇面で建物の概要を表しています。京都の有名な三十三間堂は、柱を34本並べて柱間の数が33間ある細長い建物である堂という意味です。家を建てる時も、その間面で依頼すれば、建物の規模がわかり、さらには用途も察しがつきました。

このように単純な間面記法のつくりでできているだけに、柱や梁を大事にさえすれば、間仕切りや設備機器を並べるのは自由にして現代流の住み方に改修して再生できるのです。マンションのフルリフォームのようなものです。もちろん現代流のインテリアデザインにすることも可能です。

逆に細かい柱をたくさん立ててしまうと、改修してデザインし直すことは難しくなります。長く資産価値を確保するためには、こうした柱や梁の骨組みを想定して設計することがポイン卜です。


「住宅の骨組み「スケルトン」~資産価値を守る家にするために~②」へ続く…
出典:住まい文化研究会「おうちのはなし」

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