でも、このように書くと、部屋は人ではなくモノが主役のように感じてしまいます。
それだけ生活の中にモノがあふれているということでもあります。
そして、モノがあれば、それだけ各部屋に相応の収納が必要になります。
そもそも日本の家は、それほどモノにあふれる家ではありませんでした。
世界の中でも先進国のひとつに数えられるようになった今でこそ、各部屋に多くの収納がなければ暮せないほどモノが豊かになりましたが、元来の日本の家は、多くの西欧人が文化の違いとして驚く生活をしていました。
もっとも象徴的なのは、西欧の部屋は、家具を置かなければインテリアが完成しないものですが、和室は家具がなくてもデザインが整っている空間として、欧米の人たちの目を引きました。
16世紀に日本に来たポルトガルの宣教師ルイスフロイスが書き残している手記に、次の記述があります。