たとえば句の時に、人形飾りを床の間の前に置いて飾るのは、「蔵」から出してきて、この時期だけ「座」に置いているようなものです。
この「座」の考え方が、じつは収納を上手に使いこなす大事なポイントになります。
単純に「座」にあるべきモノがない時は、片づいていないのです。使ったものは、使い終わったら必ず元の場所に戻すことができていれば、このようなことにはなりません。
さらに、「座」にあるモノは、今、生かされている物です。
しかし、見えない奥の収納にしまわれたモノは、いつか忘れ去られてしまう可能性があるモノです。
時折、時節を見て、表にある見える収納の「座」に出してきてしつらえることは、忘れられないモノとして区別していることにもなります。
いつまでも奥の収納に眠っているモノは、処分を待っているモノと考えて良いでしよう。
家にいる時間も増え、こうした収納の使い方を工夫して、少しでも豊かな暮らしぶりを実現していきたいものです。