じつは、国産材の動きもまた、新型コロナウイルスの感染拡大によって別の影響を受けています。
輸出入の停滞によって流通が止まり、国産材が余ってしまっています。
先物の不足感とは逆の動きです。
この状況を打破するために「過剰木材在庫利用緊急対策事業」を立ち上げ、時限的に国産材の活用を推進しています。
日本の木材も少しずつ輸出資源になろうとしているのです。
しかし先物取引として、海外木材の価格が高騰することは、国産木材にも大きな影響を与えることになると思います。
それはつまり、国産材の価格が上がることが強く懸念されます。
住宅を建設するには多くの木材を必要としていますので、新築住宅の価格も当然のように上がることが予想されます。
新型コロナウィルスのパンデミック以前から各種の経済対策が実施されて金利も極めて安くなり、住宅を手に入れやすい時期が続いていました。
加えて新しい生活様式に伴う住宅需要に世界が動けば、すでに次の兆候が表れているのです。
金融世界の中で長期金利が上がりつつあり、住宅ローン金利も上昇傾向にあります。
それに加えて、木材価格の高騰で、住宅価格に影響が出ます。
住宅ローン金利は、たった0.5%上がるだけで、返済総額は9%ほど増え、消費税に相当するほどの負担となります。
さらに住宅価格が上がることを考えると、間違いなく近い将来には家を求めることも簡単にできなくなる可能性があるのです。