肌で感じる家 ~人の優れた皮膚感覚を活かす~①

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みなさん、こんにちは!

人には、視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚の5つの感覚があります。その感覚器として、目・耳・鼻・口・肌があり、家に居ても、この五感の刺激を受けながら日々を暮らしています。この中でも特に触覚を取り上げて、家の快適さを考えてみたいと思います。

人の五感

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私たちは五感の刺激を受けて、暮らしています。この機能が少しでも失われただけで、大きな苦労を負うことになります。
その五感の中での情報取得量については、視覚だけで87%といわれています。
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でも、たまたまこれは人間の場合で、五感はほぼすべての動物にも備わっている感覚です。その証拠に、目・耳・鼻・口・肌は、どの動物にもある感覚器、そして、それぞれの動物に固有の進化をします。

たとえばタカやワシなどの猛禽類の視覚には、人はとても敵いません。1000メートルもの先の小動物を見つけ、猛速度で移動しながらも見失わず、獲物を捉えれば近距離でも焦点が合います。プロカメラマンの高スペックなカメラ機材を併せ持つのと、使い捨てカメラほどの違いがあるといっても過言ではありません。

その他に、闇夜でも見える目や、紫外線を感知する目を持つ動物もいます。情報量は多いとはいえ、人間は視覚によって進化してきたとは思えません。聴覚も同様で、フクロウやミミズクは、雪や地面の下数十センチでうごめく動物の音を聞き分け、場所も深さも的確に判断して襲います。あるいは、自分の発した音波の反射を聞き分けて、暗闇の中でも自由に飛び回ることができるコウモリもいます。

もっと身近な例では、犬笛は人には聞こえませんが、犬には普通に聞こえます。いかに、人間の可聴領域が限られたものであるかがわかります。動物たちが音に対する警戒感を過敏にしている姿を見るほど、人間の聴覚能力が決して高いとは思えません。
嗅覚も、犬は人の100万倍の嗅覚を持っているといわれ、ターゲッ卜が歩いた道を嘆ぎ分けながら辿ることもできます。他にも遠くから漂う、血の匂いを嗅ぎつけて集まってくる動物は、海の中にもたくさんいます。

それどころか嗅覚は、自分の縄張りを守るためになくてはならない感覚です。特に嗅覚の中枢は、記憶や情動とのつながりが強く、匂いで敵の存在を知り警戒を強めます。残念ながら人間の嗅覚は、どの動物よりも劣っているように思えます。

その点、味覚はちょっとだけ、人間の方が有利かも知れません。なによりも料理をして昧を変えるのは人聞くらいなものです。栄養素を摂取し、空腹を抑えられていれば良いのとは、わけが違います。

本来は腐食と毒の昧である酸味や苦味・渋昧も、昧わいとして嗜むようになると、雑食の極みに達しているといえます。

さて、残された感覚である人の触覚はどうでしょうか。私たち人間は「裸の猿」といわれるように、進化の過程で休毛を失っています。動物たちに比べて、敏感であることだけは間違いないでしょう。

それを感じるために、しばらく目をつぶって、肌だけに神経を集中してみてください。風力計でも測れないようなわずかな風を感じることができ、熱源があればその方向も分かると思います。

体毛で覆われた犬や猫などの動物に比べれば、人間の皮膚はいかにも弱々しいものですが、こうした微妙な光や風まで感じ取ることができます。そしこの触覚で、私たちは環境の快適さを感じています。

度膚は考える

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考えてみれば、触覚を司る表皮というのは生物の中でも最も原始的なものです。今や現代生活を変えようとしているウイルスも、表皮があって初めて最小の個休として存在することができます。

そして生物としての進化の過程で、表皮の一部が光や音や匂いを感じる受容体として変化し、目や耳や鼻ができました。多くの動物はこの感覚器を進化させ、皮膚にはバリア機能だけの役割を残したのです。

人聞は進化の究極の姿と考えてしまいますが、じつは皮膚の進化だけは別です。たとえば、猫や犬などの皮脂の主成分はコレステロールですが、人ではスクアレンという脂質です。スクアレンは水を弾くので、カワウソやビーバーなどの水生に関わる動物が環境に適合するために皮膚に塗りつけています。そのスクアレンを原料として、コレステロールが作られるように多くの動物は進化しましたが、毛に覆われれない人聞は進化を止めてしまった結果、皮膚の感度という利点を大いに活用することができるようになりました。

じつは、触覚というのは特別な感覚です。視覚・聴覚・味覚・臭覚は、一方的な情報を受容するだけですが、肌の触覚は自分と他人を区別して認識しています。たとえば、自分で自分の身体をくすぐっても、くすぐったくありませんが、他人が行うとくすぐったくなります。手と身体の両方の情報が同時に入り、自己を認識しているから生まれる現象です。自分が今、ここに存在するという意識を確認できるのが、触覚なのです。皮膚の感覚を研ぎ澄ますことによって、人は強い意識を手に入れた動物となったのです。

その良い事例が、ウソ発見機で使われている表皮電気です。皮膚の表面と内部の電位差を測ると、自分の意識以上の心理的な変化が表れてしまいます。肌には人の意識が、直結しているのです。

「肌で感じる家 ~人の優れた皮膚感覚を活かす~②」へ続く…
出典:住まい文化研究会「おうちのはなし」

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