省エネ住宅義務化への道―省エネを知らずに家は建てられない①
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省エネ住宅義務化への道―省エネを知らずに家は建てられない①
みなさん、こんにちは!
政府は、2050年の温室効果ガス排出ゼロを宣言して、世界的な地球環境に対する日本の取組を強く進めようとしています。
その目標達成のために、2021年4月から、一般住宅にも省エネ法が改正され設計の際に施主への説明義務が新しく追加されました。
今回は、その新しい制度の概要を通じて、省エネ住宅について分析してみました。
CO2排出ゼロに向けて
世界のどこかで大雨による洪水や、乾燥、山火事などのニュースが聞こえてきます。
日本でも毎年のように、大型台風が来て、想定外の大雨が降っています。
COVID-19の感染症でパニックになっている世界に、永久凍土が溶けてさらに未知のウイルスが発生する可能性もあるといいます。
今や気候危機は、まさに現実化しているようです。
この地球上に長く暮らすことになる子供たちに、不安定な地球を残すことがないように、パリ協定によって温室効果ガスの削減目標が決められました。
2013年の排出量を基準にして、排出量で26%の削減を世界で目指します。
その目標は日本も一緒です。
メタンガス等の他の温室効果ガスを除いて、日本のCO2の排出量は25%削減する目標が定められています。
このCO2の排出量については、大きく4つの部門に分けられています。
産業部門・建築物部門・運輸部門・エネルギー転換分門です。
製造業などの産業活動から排出されるCO2、ビルや住宅などの建築物から排出されるCO2、車・電車・飛行機・船舶などの運行から排出されるCO2、そして火力発電所などから排出されるCO2です。
このそれぞれの部門ごと、次のように目安が定められています。
これらの目安が、複雑な事情を解して定められているとは思いますが、建築物部門の削減目標が高いことがわかります。
省エネ性能の高い住宅を推進することは、大きな使命になっているのです。
この最終目標のエネルギー消費量を原油換算値で表すと、家庭部門では、1,160万klになります。
この中には、新築住宅の省エネ性能を上げるほかに、給湯器や照明器具の効率やエネルギーの使い方でも削減が可能です。
それぞれに割い当てられている目標値は次の通りです。
この中で新築住宅の省エネ性能向上は、27%に相当します。
意外と少ないと感じる人も多いと思いますが、現実に家庭で消費されているエネルギー量も似た傾向にあり、断熱性能だけでなく、給湯や照明・家電製品などに使われる量が多いのです。
じつは、運輸部門の次世代自動車の普及等による削減では、938.9万klの削減が見込まれていて、自動車の普及だけで家庭部門の9割削減に相当します。
全体の中では、新築住宅の省エネ性能向上により6.2%の削減が見込まれています。
このような背景から、省エネ住宅推進のための新制度が施工されました。
「
省エネ住宅義務化への道―省エネを知らずに家は建てられない②
」へ続く…
出典:住まい文化研究会「おうちのはなし」
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