省エネ住宅義務化への道―省エネを知らずに家は建てられない③

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みなさん、こんにちは!

前回は、省エネ住宅説明義務化により、建築士にはどんな義務が課せられたかというのをお伝えしました。

省エネ住宅の適合判定

ところで、省エネ住宅というのは、どのようなものなのでしょうか。

性能が高い家を求めれば、当然のようにコストが高くなるものです。

国土交通省の試算では建築費用の4%にあたる87万円負担が増えるとしています。

省エネ効果で年間2万5千円の光熱費が節約できても、ローン返済と同じ35年かかります。

また、単純に断熱性を高めて、熱が逃げにくい高断熱の家をつくれば、省エネ住宅になると思いがちです。

確かに、高断熱であることはエネルギー消費を抑えることになりますが、それだけで省エネ住宅というわけにはいきません。

断熱性に加えて、上手なエネルギーの使い方もできて、はじめて省エネ住宅としての評価ができます。

先の原油換算値の目標にも似ていますが、家で使われているエネルギー量は、想像以上に断熱よりも、給湯・照明・動力に使われている量の方が多いのです。


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したがって、省エネ住宅の適合判定には、外側の断熱性能による熱の損失に関わる事項と、住宅内の生活で使用する一次エネルギー消費量を、計算しまければなりません。

お客様への省エネ住宅説明義務を負う建築士は、次のような計算を行った上で説明することを求められています。

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見るだけでも面倒そうなことですが、お客様は計算結果として省エネ住宅として適合しているかどうかを確認するだけでいいので、ご安心ください。

ここにある項目は、同じ適合判断を行うのに、さまざまな計算方法等があるということです。

標準的な計算方法(UA値等)や、以前から使われていた床面積当たりの平均値(Q値)に加え、ウェブ上のプログラムで判定する方法などがあります。

特に、断熱性の判定には、建物外皮の性能を算定することが欠かせません。

外皮とは、家の中と外を分ける皮膚のようなものです。

壁や屋根はもちろん、一階の床下も外皮です。

家の設計に凸凹があれば、それだけ複雑な外皮となります。

窓も壁に空いた穴のようなもので、サッシの性能も大きく関わります。


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ということは、間取りの変更や窓の変更等を行えば、壁・屋根や窓の面積も変わり、省エネ住宅の性能値も変わるということになります。

時には、制約を受けることや、適合させるためにコストの変動も起こりうるので、しっかり建築士に相談を重ねる必要があります。

ただ、適合判定には、性能を明記した断熱材とサッシ等の仕様を定めることで、面積や設計に制約を受けないで省エネルギー等級4の適合を得る方法もあります。

より省エネ性能を高めるためには、欧米の家のように窓を小さくする必要も生じますが、例えば日本の伝統的な家のように大開口のデザインでも適合しやすくなります。

設計での混雑を避けるためには、最初に建築士と仕様基準による省エネ適合を定めておいて、最終的にデザインが決まってから、より高い省エネ性能とコストを目指せばよいのではないでしょうか。


「省エネ住宅義務化への道―省エネを知らずに家は建てられない④」に続く…

出典:住まい文化研究会「おうちのはなし」

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