どうして、日本では建売り分譲住宅よりも、注文住宅が多いのでしょうか。あるいは家を求めようとしている人たちに、それだけ多様化した二ーズがあるということなのでしょうか。この疑問への答えは簡単ではなさそうです。
ところで、どの地域でもそれなりに、分譲住宅はあるものです。単純に、こうした建売住宅を見学して、自分の感性に合い納得できれば、わざわざ注文住宅を検討しなくても購入しているはずです。でも、ちょっとしたところで気に入らないところがあって、注文住宅で夢を実現しようとしているのです。つまり、建売り分譲住宅にはないものを求めている人が多いということです。
一方、建売り分譲住宅を手がけるデベロッパーは、常lこ住宅市場のマーケットを研究して、売れ残ることがないように、できる限り万人家族向けにデザインしているはずです。
たとえば、家族の集まるリビングやダイニングを家の中心として、主婦層に人気の高い対面型のキッチンを配置します。もちろん、パスルムやサニタリーには最新の設備を組み込み、収納への気配りも忘れません。そして、多少部屋の大きさは小さくなっても、4人以上の家族が暮らせるように部屋数を用意します。
その上、耐震や省エネの性能を高めて購入者への安心感を与え、数棟を同時に施工する事で生産性を高めて、魅力のある価格を設定しています。もちろん、中には土地の魅力が高い物件もあるでしょう。
しかし、こうして企画された建売り分譲住宅であっても、最終的には足りないと思っている人が多くいるからこそ、注文住宅を求める家族が後をたたないのです。それはつまり、建売り分譲住宅にはない夢を求めているのが注文住宅だということです。