およそ100年も前に建てられた家ですから、
現代のライフスタイルを考えると、間尺に合うはずもないと思えるのですが、
コンパク卜な設計には、改めて学ぶことも多いようです。
多くの建築を学ぶ人たちが、この家を参考にしています。
やがてコルビュジ工は建築家として近代建築への道を聞き、
文字通り世界中で活躍し、日本を含めて多くの固に遺産を残すことになりました。
その一方、コルビュジ工は著述の中で施行したビルダーのことにも触れています。
コルビュジ工の活動の拠点であったパリからは遠く離れていて、
職人を連れて行くわけにもいきません。
結局、建設地であるスイス、レマン湖の地元のビルダーが手がけています。
結果的には任せっきりになり、その上、予算も厳しかったので、
恐らくビルダは苦労をしたことでしょう。
地元のビル夕、というのは工ッセンシャルワー力ーで、
地域の住環境を維持するためには欠かせない存在です。
建築家は世界で活躍できても、ビルダーはずっと地域にいて貢献しているのです。
世界遺産となる『小さな家』も決して例外ではありませんでした。
そして「小さな家』というコンセプ卜は、いつの時代にも残されているものです。
「コンパクト・コンセプト―暮らしを豊かにする広さとは?②」に続く…
出典:住まい文化研究会「おうちのはなし」